日台映画文化交流:林克三氏と日州ドキュメンタリー制作実行委員会の協力
小松孝英
美術家/ドキュメンタリー監督
日州ドキュメンタリー制作実行委員会会長/延岡市観光大使
文化交流は国境を超える架け橋であり、お互いの歴史、芸術、生活様式を深く理解することで、異なる文化の相互理解と尊重を促進します。日本と台湾の文化交流を推進する過程で、台三株式会社社長の林克三氏は、その深い友情と長年にわたる支援により、この橋の重要な建設者の一人となりました。
林克三氏は、日州ドキュメンタリー制作実行委員会の協力パートナーとして、長年の友情と協力関係が複数のドキュメンタリー作品の成功の基盤となっています。ドキュメンタリーを通じて、日本と台湾の文化と歴史が大衆の前に呈され、両国の深い繋がりを多くの人々に知ってもらうことができました。
第一作:《塩月桃甫ドキュメンタリー》——台湾の美術教育に尽力した孤独な芸術家
林克三氏は、私たちの第一作である《塩月桃甫ドキュメンタリー》にも参加しました。この映画は2021年に公開され、塩月桃甫
(本名:永野善吉)という芸術家の一生の芸術的貢献について描いています。彼は幼少期を日本九州の宮崎県で過ごし、
東京美術学校
(現在の東京芸術大学)を卒業し、1921年に家族と共に台湾に移住しました。以後、彼は台北高等学校
(現在の台湾師範大学)や台北第一中学校(現在の建国中学)で美術教師を務め、台湾の美術教育に生涯を捧げました。
《塩月桃甫ドキュメンタリー》は、単なる芸術家の伝記ではなく、日本と台湾の文化の交錯を深く探る作品です。この映画を通して、日本の芸術家がどのように台湾への愛を生涯の創作と教育に転化し、台湾の美術発展に貢献したかを目の当たりにすることができます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20240730/5060018765.html
第二作:《中村地平ドキュメンタリー》——台湾文学を推進した文学の巨匠
林克三氏は、私たちの第二作である《中村地平ドキュメンタリー》にも支援しました。この映画は2024年に公開予定です。中村地平は、佐藤春夫の台湾小説に影響を受けて、1908年に台北高等学校に進学し、その後、東京帝国大学の文学部で美術史を専攻しました。彼は文学のキャリアにおいて、台湾での経験を背景に多くの文学作品を生み出し、台湾文学の発展に多大な貢献を果たしました。
《中村地平ドキュメンタリー》は、中村の文学の歩みと台湾の文化史を密接に結びつけ、彼が文学創作を通じて台湾の文学発展をいかに推進したかを描いています。この映画は、2024年の嘉義国際ドキュメンタリー映画祭と桃園映画祭など、重要な文化イベントでの上映が予定されています。
第三作:《井手薫ドキュメンタリー》——文化交流のさらなる深化
現在、私たちは第三作である《井手薫ドキュメンタリー》を制作中です。林克三氏の長期的な支援と協力により、この作品も制作が進められており、前二作の精神を引き継ぎ、日本と台湾の文化交流における重要な人物や歴史的出来事をさらに探究しています。この映画を通じて、両地域の文化、歴史、人文の深い繋がりをさらに掘り下げることを期待しています。
日台文化交流の未来
台三株式会社の林克三社長の支援と参加により、私たちのドキュメンタリー制作が円滑に進み、日本と台湾の文化交流により確固たる橋が架けられました。これらの映画は、両地域の歴史的な繋がりを示すだけでなく、今後の多文化協力の可能性を広げるものです。
ドキュメンタリーを通して、私たちは台湾と日本の文化的な交点をより多くの人々に知ってもらい、両国民の相互理解と協力を促進したいと考えています。林克三氏の継続的な支援に感謝し、彼の協力の下で、さらなる素晴らしい作品を生み出し、日台文化の長期的な発展を推進していくことを楽しみにしています。